5Gのサービス開始で懸念されるリスクですが、最初に挙げられるのが個人情報の流出です。5Gに限った話ではありませんが、新しい技術は開発者が想定していない挙動をする事があります。何度も何度もデバッグとテストを繰り返した最新鋭のプログラムでも、実際に運用する事で全く想定外のトラブルがしばしば起きます。バグによってユーザーの個人情報の外部に流出したり、クライアントの機密情報がネット上に漏洩する等のリスクが想定されます。
5Gの長所は大量のインターネット機器を、高速でオンライン化できる点です。ただ、そのメリットはセキュリティ面のリスクと表裏一体です。5G関連のシステムに大きなトラブルが発生すると、その影響は文字通り社会全体に及びます。今までは一部の地域で済んでいたシステムトラブルが、5Gのサービスを通して日本全体に波及する恐れが出てきます。
5Gのシステム開発や保守などに携われるシステムエンジニアが国内に不足しているのも、サービス開始後の懸念材料の一つです。何かトラブルが起きた時に、的確に脆弱性の修正作業に充てられる人材が不足しているのが日本の実情です。また、そもそも安全性と実用性の両方を満たした5G関連のシステムを構築できる人材が、やはり不足しており、優秀な若手エンジニアは企業間で引っ張りだこ状態です。5Gのサービスが開始されても、人的リソースの不足が解消されていない可能性が高く、諸外国に比べて5Gの社会全体への普及が遅くなるリスクが出てきます。ただ逆に考えれば5Gの技術を身につけたエンジニアは大きく活躍できるということでもあります。エンジニアとして飛躍していきたい人は「5Gに注目しているエンジニアへ」などのサイトを参考に、5Gに関する知識を深めていくと良いでしょう。