IoTとはInternet of thingsの頭文字を取った言葉で、インターネット経由で様々なものが接続し、情報交換をしあう仕組みです。IoTを活用するためはインターネットに接続するための無線通信システムが必要になります。BluetoothやWiFi、それから近年注目を集める5Gが例として挙げられますが、広範囲かつ長期間が重視されるIoTに適した通信システムとして注目されているのがLPWAです。LPWAはLow Power Wide Areaの略称であり、低消費電力広域通信などと訳されることもあります。
LPWAの特徴は、少ない消費電力で長距離通信が可能なことです。10kmを超えるような距離でも通信が可能であり、山奥などの僻地や海上での利用に適しています。電力消費量も小さく、電池だけでも長期間使うことができ、電池交換の手間も少なく済みます。Bluetoothは少ない消費電力で通信できますが、通信距離は10m程です。WiFiは高速通信が可能ですが、やはり通信距離は短いです。5Gは長距離かつ広範囲で通信速度も速いですが、高コストというデメリットがあります。LPWAには通信速度が遅いというデメリットがあります。一方、LPWAには通信速度が遅いというデメリットがありますが、低コストかつ長距離通信可能という2つのメリットがあるために、農業やスマートハウスなどの速さがそこまで求められないIoTの通信システムに適しているのです。
無線局免許が不要なのもLPWAのメリットです。電波を送受信する機器を設置するには免許が必要ですが、一部のLPWAは免許を必要としない900メガヘルツ帯の電波を使用しています。免許がいらないので導入のハードルが低くなっているのも、LPWAが注目される理由です。